改質リグニン配合プラスチック素材を採用したハンドル用ウレタン

 豊田合成は21日、杉の成分を配合したプラスチック素材を開発したと発表した。杉から抽出した「改質リグニン」をウレタンやナイロンなどのプラスチックに配合することで製品の環境負荷低減を狙う。同社の主力製品であるハンドルをはじめ内外装部品への適応を目指す。

 国立研究開発法人森林研究・整備機構と共同で開発した「改質リグニン配合プラスチック素材」は、杉の主成分である「リグニン」を科学的に抽出し、プラスチック製品の石油由来材の一部と代替えすることを可能にした。リグニンの抽出技術を森林研究・整備機構が、ウレタンやナイロンへの配合技術を豊田合成が担当した。

 杉の成分は、リグニンが25~35%を占める。また、40~50%を構成するセルロースに関しては「CNF強化プラスチック」として外装部品などへの活用を進めている。バイオ素材として活用すれば、国内に豊富に存在する杉を有効活用できるほか、アレルギー源である杉花粉の低減につながる可能性があるという。