ブリヂストンの社内ベンチャー、ソフトロボティクスベンチャーズ(音山哲一最高経営責任者=CEO)は、高圧ホースなどの技術を生かしたソフトロボットハンド「TETOTE」(テトテ)の新型プロトタイプを初公開した。製造業などの自動化ニーズに応え、2026年度までの事業化を目指す。

 ゴム人工筋肉により、指のように柔軟に物をつかむ動作が可能なロボットハンドを開発し「テトテ」と名づけた。可搬重量約2~3㌔㌘のフラッグシップモデルを提案中だが、製造業界から「もっと重いワーク(対象物)や小さなワークにも対応できないか」との声があり、ラインアップを拡充。従来比で約2倍の約5㌔㌘に対応する「パワーアップ版」、小さいワーク同士の隙間にも入る「スリム版」を用意した。

 ロボットハンドは「一品一様」で、ワークに合わせてハンドを付け替えるのが一般的だが「テトテ」はさまざまな形状のワークを扱え、多品種少量生産のラインにも向くという。パワーアップ版なら「重筋作業」の置き換えも可能だ。

 音山CEOは「ハンド自体の開発はほぼ完了し、現場への導入に向け実証を進めている。30年には、ソフトロボットハンドが当たり前の選択肢になればいい」と語った。