AGCは、太陽光パネルのカバーガラスからフロート板ガラスを製造する実証実験に成功したと発表した。フロート板ガラスの原料としては日本初で、これまで技術的に難しいとされていたフロート板ガラスへの水平リサイクルが可能となる。今後大量廃棄が見込まれる太陽光パネルのカバーガラスを、生産量の多いフロート板ガラスへのリサイクルを可能とすることで環境負荷低減に貢献していく。

 今回の実証は、化学メーカーのトクヤマと共同で取り組んだ。使用したカバーガラス約5㌧は、トクヤマの低温熱分解技術で精製した。

 太陽光パネルの耐用年数は20~30年とされており、2030年後半より年間数十万㌧が廃棄されると見込まれている。このうち重量全体の約6割を占めるカバーガラスは、産業廃棄物として埋め立て処理しており、環境負荷が課題となっている。水平リサイクルが可能となれば環境負荷低減に加えて、珪砂やソーダ灰などの天然資源由来原料の使用量削減にもつながる。

 同社では23年11月、太陽光パネルのカバーガラスを型板ガラスへリサイクルする実証試験に成功している。