スズキは8日、4月から人事制度を刷新すると発表した。職能資格制度の導入や評価制度の見直しを行う。合わせて初任給を引き上げる。

 初任給は、高校卒が現行比12%増の20万1千円、大学卒が同14.1%増の25万1千円、大学院卒が同12.8%増の27万3千円とする。職能資格制度の導入では、職務で必要な知識やスキル、ノウハウなどを明示し、各本部の職務能力を高めていく。

 評価制度は短期業績は賞与に、職務能力は昇級と昇格に反映する。

 スズキの労組は、今春闘で組合員一人当たり2万1千円の賃上げを要求していた。この要求金額に人事制度改革で実施予定の内容が含まれているため、今回、賃上げの具体額は示さない。ただ、賃金制度維持と物価上昇分に加え、給与体系の刷新などにより、賃上げ率は10%以上になる見通しだ。賞与は労組の要求通り年間6.2カ月分を支給する。

 鈴木俊宏社長は「スズキグループが稼ぐ力を伸ばし、サプライチェーン全体で成長できるように人的資本投資を促進する」とコメントした。