政府は27日、中・大型トラック(車両総重量8㌧以上)の高速道路の最高速度を時速80㌔㍍から90㌔㍍に引き上げる政令案を閣議決定した。4月1日に施行する。トラック運転手不足が懸念される物流業界の「2024年問題」対策として、政府がまとめた施策の一つ。警察庁の有識者検討会は23年末、時速90㌔㍍までは車両の安全性能が保証されるため、法定速度を上げても交通の安全に大きな影響はないとの結論を出した。
労働基準法の改正で今年4月から運転手の時間外労働が年間960時間までに制限されるため、物流の停滞が懸念されている。政府は速度アップにより、輸送の効率化を図る考え。
1月から実施したパブリックコメントでは賛同意見のほか「時速100㌔㍍まで引き上げるべきだ」「事故被害が重大化するので引き上げるべきではない」など36件の声が寄せられた。