豊田自動織機の認証不正に関し、国土交通省は22日、対象の産業機械用エンジン3機種の「型式指定」の取り消し手続きを開始した。型式指定申請における排出ガス試験で悪質な不正行為を確認し、このうち1機種が基準不適合だったことなどを重く見た。29日の聴聞手続きを経て取り消し処分が確定する。
型式指定の取り消し対象は、フォークリフト用ガソリンエンジン「4Y」「1FS」と、建設機械用ディーゼルエンジン「1KD」。一酸化炭素等発散防止装置の型式指定申請における排出ガス試験で、試験用エンジン制御ソフトを不正に書き換え、定められた試験装置とは異なる制御方式の試験装置を使用するなどして型式指定を取得した。
伊藤浩一社長は29日の聴聞について「是正命令の内容を真摯に受け止め、(反論など)コメントするようなことは考えていない」と処分を受け入れる考えを示した。
同社では昨年4月にもフォークリフト用ディーゼルエンジン2機種の型式指定取り消し処分を国交省から受けている。今回のガソリンエンジン2機種の型式指定が取り消されれば、フォークリフト用の現行エンジン全機種が型式指定を失うことになる。
国交省は今後、同社から「基準適合」の報告があった「4Y」「1FS」と自動車用の現行エンジン3機種について、基準適合性などを調べる確認試験を行い、結果を順次、公表する。