中古タイヤなどの「トレッド」

 イエローハットは今後3年以内をめどに、中古タイヤなどの専門店「トレッド」を100店舗に倍増する。現在、2023年12月時点で49店舗となっているが、冬用タイヤとの交換需要が見込める地方などで出店を増やす。市販用タイヤは原材料価格の高騰などで、値上げが相次いでいる。同社では交換費用を抑えたいユーザーの需要が高まると判断した。新品タイヤが軸のイエローハット店に加え、タイヤの販売チャンネルを強化することで幅広いニーズに対応し、販売増につなげる考えだ。

 トレッドの新店舗は、日常生活で自動車を使用しているユーザーが多い地方都市などを中心に広げる。こうした地域では走行距離が伸びるため、タイヤの交換需要が発生しやすい。一方、大都市圏と比べて、所得が高くない傾向にある。新品よりも価格を抑えられる中古タイヤの選択肢を提供することで、新たな顧客獲得を目指す。

 特に、スタッドレスタイヤが必要な地域に店舗を増やす考え。冬用タイヤは定期的な交換需要が見込め、冬季のまとまった収益源になりやすい。ただ、豪雪地帯など厳しい環境にある地域では長期間性能を維持できる新品を選ぶユーザーが少なくないとみられる。このため、降雪量が一定の範囲で収まる地域に出店していく計画だ。

 新規出店は子会社による直営と、フランチャイズチェーン(FC)の形式で進める。同社では出店目標の達成時、直営とFCをほぼ同数にそろえる考え。ただ、現在はFCが3割程度にとどまっているため、当面はFCによる出店を強化する。最終的に割合を5割とすることで、出店や運営に関わる効率性やリスク管理などのメリットを最大化する狙い。

 同社は11年にトレッド1号店の「富里店」(千葉県富里市、現在は閉店)を開設。23年4~12月期は4店舗を出店している。