デンソーの燃料ポンプ不具合問題が業績に影響を及ぼしている。同社は2月2日、燃料ポンプのリコール(回収・無償修理)に関する費用などを反映し、2024年3月期の連結業績予想を修正した。日米での好調な車両生産や円安の影響を受け、売上高を上方修正した一方、営業利益を前回予想から1350億円引き下げ4950億円とするなど、各利益項目を下方修正した。品質問題が営業利益に与える影響は、23年度上期で412億円としていたが、第3四半期に追加で1518億円を引き当てた。

松井靖副社長はリコール問題について「今回のリコール内容は技術的に非常に複雑なメカニズムとなっている。現時点で引き当てられる範囲を合理的に見積もった」と述べた。品質への取り組みについては、「想定外の事象により、知見が及ばなかった部分があると反省している」とし、「基盤技術のところを原点に戻ってやっていく」とした。