日本自動車工業会(片山正則会長)が31日に発表した2023年の自動車輸出台数は442万2682台(前年比16.0%増)となり、2年ぶりに増加した。半導体不足の緩和による国内生産の回復に加え、一部メーカーが円安下で輸出を増やした。ただ、電気自動車(EV)を中心に輸出を増やす中国の491万台には届かず、世界最大の自動車輸出国の座を明け渡した。

 地域別では北米、欧州、中近東、大洋州などの台数が増加した。国別では、半導体不足による供給制約で現地の需要に追いつけなかった米国向けが148万5641台(同15.7%増)と回復。オーストラリア(同14.6%増の40万2111台)やカナダ(同60.4%増の23万3620台)向けも好調だった。

 一方、輸出台数が多い仕向け地の中では、日本車の販売が低迷している中国(同6.7%減の20万2993台)、経済環境が悪化しているパキスタン(同6.7%減の3万1365台)などで前年実績を下回った。

 車種別では、乗用車とバスが増加し、トラックが34万1140台(同16.0%減)と減少した。12月は乗用車、トラック、バスの合計で43万2532台(同21.2%増)で11カ月連続で増加した。

 11月の国内生産台数は85万7001台(同11.7%増)となり、11カ月連続のプラスとなった。