豊田自動織機は1月29日、エンジン認証不正問題で自動車向けなど新たな不正が判明したことを受けて都内で記者会見を開いた。伊藤浩一社長は「基本として順守すべき認証制度の重みに鑑み、この内容を極めて重大に受け止め深く反省している」と謝罪した。フォークリフト向けエンジン事業は抜本的な立て直しに向けた再発防止策を進めるとともに、自動車向けではトヨタ自動車との役割分担やコミュニケーションの再構築に取り組む。
外部有識者による特別調査委員会は、不正の原因としてトヨタから求められるままにエンジン開発を行ってきた豊田自動織機の「受託体質」にあると指摘した。伊藤社長は「最終的なお客さまにどう向き合うかが認識されずに開発されていたという点で(受託)体質はあった」と認め、開発や認証プロセスの整備や監視機能の強化を進める方針だ。
同日、トヨタの佐藤恒治社長は記者団の取材に応じ、「認証制度の根幹に対して、大変重い出来事として受け止めている」と謝罪した。調査委員会は、自動車向けエンジンの不正でトヨタとのコミュニケーション不足についても指摘したが、佐藤社長は「改善すべき課題があった」と認め、ディーゼルエンジン事業について両社の役割分担など体制を見直す考えを示した。