豊田自動織機は1月29日、自動車用エンジン認証で不正が見つかったと発表した。不正が判明したのはトヨタ自動車「ハイエース」「ハイラックス」「ランドクルーザー」などに搭載する3機種のディーゼルエンジン。豊田自動織機が対象エンジンの出荷を停止し、トヨタや日野自動車などもこのエンジンを搭載する車両の出荷を停止する。ただ、エンジン性能については抜き取り検査で出荷基準値を満たしており、既販車の利用を見合わせる必要はないとしている。
豊田自動織機はこれまでフォークリフト向けエンジン認証の不正を公表していたが、今回新たに自動車向けでも発覚した。自動車向けエンジンの不正では、トヨタなどが豊田自動織機に委託していた出力試験で、量産用とは異なるソフトの電子制御ユニット(ECU)を用いて測定し、燃料噴射量を調整して出力やトルクカーブを見栄えの良いデータに変更するなどの行為が判明した。
豊田自動織機は2023年3月、フォークリフト向けディーゼルエンジン2機種およびガソリンエンジン1機種の計3機種での認証不正を公表。再発防止に向け、特別調査委員会を設置して事案の解明に当たっていた。今回、自動車向けのほか、フォークリフト向けでは旧型も含めた6機種での不正が判明した。
調査結果の報告を受けて国土交通省は1月29日、豊田自動織機の碧南工場(愛知県碧南市)を立ち入り検査すると発表した。
トヨタグループでは、日野やダイハツ工業、愛知製鋼などでも不正が相次ぎ発覚している。トヨタの豊田章男会長は30日に名古屋市内でグループビジョンを説明する予定だ。