ダイハツ工業の認証不正問題に関し、国土交通省は1月16日、道路運送車両法に基づいて、同社に対して抜本的な再発防止策の策定と自動車の型式指定申請における違反の是正を求める「是正命令」を出した。合わせて、1カ月以内に再発防止策を報告し、その後は四半期ごとに再発防止策の実施状況を報告することも求めた。
斉藤鉄夫国交相が同日午後、省内でダイハツの奥平総一郎社長に是正命令書を手渡した。斉藤国交相は、ダイハツの外部有識者による第三者委員会の調査報告書と国交省の立入検査を通じて判明した46車種156件に上る不正行為について、「これらの不正行為は国の型式指定への信頼性を根本から損ない、わが国の製造業への信頼をも傷づけるものであり極めて遺憾」と述べた。
ダイハツの奥平社長は「お客さまをはじめすべてのステークホルダーに多大な迷惑と心配をかけ、心からお詫び申し上げる。国の大切な自動車型式認証制度を棄損するような不正であると重く受け止めている。社員全員で改善に努めてまいります」と陳謝した。
国交省によると、昨年12月21日から今年1月9日までに実施したダイハツに対する立入検査の結果、同社から報告があった142件の不正行為の事実を認定するとともに、新たに14件の不正行為を確認した。試験車両に不適切な加工などを行っていたという。
自動車メーカーによる不正問題に伴い、国交省が個社に是正命令を出したのは、2022年にエンジン認証不正問題が発覚した日野自動車に続いて2例目となる。