会場に展示しているレストアモッドした「スープラ」

 トムス(谷本勲社長、東京都世田谷区)は、「東京オートサロン2024」で旧型車のレストア事業に参入すると発表した。静岡県御殿場市内に新設した専用ガレージで、1970~80年代製を中心に、トヨタ車の修復を手掛ける。こうしたモデルは60~70歳代の顧客に人気がある。ただ、同社では30~40歳代をターゲットに設定。マーケティングを実施して新たなユーザー層を開拓する。日本の〝旧車〟人気が高い海外のユーザーからの受注も目指す。

 新事業では修復する「レストア」と、カスタムも加える「レストアモッド」、エンジンのオーバーホールや内外装の一部修復など「部分レストア(ヘリテージパーツ)」の3種類のサービスを提供する。レストアモッドでは、〝現代風〟のデザインを盛り込んだオリジナルパーツの開発も計画する。対象車両は「セリカ(通称:ダルマセリカ)」「ソアラ(GZ20系)」「スープラ(70系)」「チェイサー(100系)」などを想定している。ユーザーの車両持ち込みに対応するほか、レストア車の販売も予定している。

 同社ではこれまで、自動車のショーやイベントなどに合わせて、古いモデルの修復を手掛けていたが、事業化は今回が初めて。市販車をベースに、レース車両に改造する既存事業で蓄積してきた車両の構造やエンジン、チューニング、カスタムなどのノウハウや知見を新事業に生かす。専用ホームページを開設し、国内外から問い合わせを受け付ける。

 谷本社長はプレスカンファレンスで「世界でも注目される日本のクルマ文化を大切にし、若い世代や海外の愛好家にも継承していきたい」と、参入の意義を述べた。