ホンダからの受注も機種数が増えている(ステップワゴン用シート)

 テイ・エス テック(TSテック)は、国内開発体制の強化に乗り出す。栃木県塩谷郡高根沢町にある研究開発部門の建屋を新設するとともに、エンジニアを増員する。浜松工場(静岡県浜松市)でもエンジニアを増やす。埼玉工場(埼玉県行田市)では製造技術と量産性を実証する技術棟を新設して生産技術のレベルアップを図る。主要納入先であるホンダに加え、ホンダ以外の新規取引先からの受注が順調に拡大していることから、開発体制を強化して事業拡大を図る。

 TSテックは、ホンダ以外の新規取引先の開拓に注力しており、順調に納入先が増えている。ホンダからの受注も機種数が増えており、これらに対応するため、国内の開発体制を強化することにした。

 TSテックの栃木県内にある研究開発拠点の建屋が老朽化しているのに加え、手狭で試験設備が分散しているなど、業務効率の面でも課題があることから、新しい建屋を新設する。ホンダ以外のビジネスも拡大していることから、取引先ごとに機密性を確保できる仕様にし、開発効率の向上にもつながる設計とする。保田真成社長は、エンジニアの増員や開発効率の向上などで「開発能力を現状と比べて倍増させる」と語った。浜松工場でもエンジニアを増員する計画で、開発体制の拡充も検討する。

 また、埼玉工場には生産技術の向上を図るため、技術棟を新設する。新しい製造技術や量産性を実証する生産ラインを設け、試作した金型や内製した新しい生産設備を試験する。量産する前に精度の高い金型を製造するとともに、生産効率や品質が向上する生産設備を積極的に活用していく体制を整える。

 TSテックでは、開発案件の増加に対応するため、現在はフィリピンにあるグループ開発会社から日本の開発拠点にエンジニアを派遣するなどして対応している。国内で製品や量産技術の開発体制を拡充することで、事業拡大につなげる。