花壇自動車大学校(角川重博理事長・校長)は日産「セレナ」をベースに「スポーツコンパクト」を表現した1台を出展した。かつて販売していたスポーティ仕様の車両を復元しつつ、走行性能や独自のデザインを取り入れてミニバンの新たな使い方、楽しみ方を提案する1台に仕上げた。
ベースとなる車両は1997年式の初代モデルで「シルビア」に搭載していたエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたスポーティなグレードとなる。作業は、ボディークラフト科の学生を中心に内装、外装、エンジン、足回りの4グループで実施。作業開始時は、車体左側のドアやフェンダーに損傷があり、日頃の学習の成果を生かして修復を行いながらカスタムを進めた。
外装は、カーアクション映画「ワイルドスピードX3東京ドリフト」に登場する車両から、立体的な市松模様やエジプト神話で再生を象徴する「スカラベ(ふんころがし)」などのモチーフを盛り込んだ。そのほか、フロントバンパーはシルビアのパーツを加工して装着し、フェンダーをベース車両から50㍉ほど幅広く仕上げて車高のローダウンも実施。ワイド&ローのフォルムとすることで存在感を演出した。インテリアは、天井やドアのパネルをブラック基調で全塗装して刷新するとともに、バケットシートやペイントを施したシート台座など細部まで手を入れ、アクティブな走行性能を表現した。
作業を監修した教員は、出展車両のボディは鋼板が厚く溶接などの作業性が高い点を指摘しつつ「国産車は供給が少ない部品もあり、工夫を凝らして補修した」と話す。学生は、ウェブや同時代の車両を所有する同級生の助言を活用しながら作業を進めたことを振り返り「会場で一番目立つ車に仕上がったのではないか」と自信をのぞかせる。