能登半島地震の被災地支援に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を活用する動きが広がっている。日産自動車や三菱自動車は、販売会社とともに車両の無償貸与を開始。また、両社とテスラモーターズジャパン(東京都港区)、eモビリティパワー(四ツ柳尚子社長、東京都港区)は、急速充電器の無償解放を始めた。被災地の一部でいまだ停電が続くなか、6日以降には大雨や強い寒気が北陸地方を襲う見通し。蓄電池としてEVやPHVを活用してもらい、被災者の生活を支援する考えだ。

 日産自動車は、3日に穴水町からの要請で「アリア」2台を貸し出したほか、5日には珠洲市に3台のEVを貸与した。三菱自は、新潟県の柏崎市に「アウトランダー」と「エクリプスクロス」のPHVを貸与した。要請に応じて今後さらに4台を貸与する準備も進めている。

 一方、急速充電の無償解放では、日産が七尾市と羽咋市の販売店2拠点で実施。三菱自も4日に新潟県の拠点で開始したほか、今後は北陸地方の27拠点でも無償開放する予定だ。eモビリティパワーも5日から石川県のコンビニエンスストアや「道の駅」など12拠点で無償開放を開始し、今後は災害救助法が適用される北陸の35市11町1村にエリアを拡大する方針。テスラは3日から北陸4県の「スーパーチャージャー」を無償解放している。

 電動車以外の支援では、トヨタ自動車がコネクテッド機能を活用した「通れた道マップ」を1日の地震発生直後から公開中。ホンダは、食料品などの備蓄物資を現地に送るとともに、自治体などの要請に応じて自社製の発電機も提供する予定だ。