1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする地震で、県内に拠点を置くサプライヤーも復旧活動を急いでいる。各社とも3日午前の時点では、工場の稼働を停止しており、工場内の設備点検とガスや重油といったインフラ関連の確認を並行して行っている。通常で早ければ今週にも稼働開始の企業が多いが、各社とも「再開時期のめどはついていない」(ジャパンディスプレイ広報)状況だ。

JDIの石川工場(石川県能美郡)は地震発生時は非稼働日で、3日午前までに全従業員約400人の無事を確認した。地震の影響で配管が破損し、事務棟の一部で漏水が発生した。生産設備に関しては現在も状況確認を進めている。同拠点は車載用ディスプレイなどを生産しており、同社の国内における主要拠点でもある。

東芝は2日、子会社でパワー半導体などを生産する加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)の稼働を停止したと公表した。工場内の設備状況を確認中で、東芝デバイス&ストレージの本社(神奈川県川崎市)内に設置した災害対策本部と連携し、情報収集を進めている。稼働の再開時期に関しては「未定」(同社)の状況だ。

石川県内は電子部品の生産拠点が点在すると共に、北陸地域には日野自動車といすゞ自動車の合弁であるジェイ・バスや、三菱ふそうトラック・バス傘下の三菱ふそうバス製造といった商用車メーカーが生産工場を有する。関連するサプライヤーも多く立地しており、自動車産業全体のサプライチェーンへの影響も懸念される。