鈴木俊一財務相兼金融担当相は7日の閣議後会見で、損害保険ジャパンの親会社のSOMPOホールディングス(HD)に保険業法に基づく立ち入り検査を開始したことを明らかにした。ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)の自動車保険金の不正請求問題に絡むもの。6日に決定し、同日SOMPOHDに通知した。金融庁は9月4日に損保ジャパンに立ち入り検査を通告。同月19日に現場への立ち入りを始めている。問題の全容解明には親会社も詳しく調べる必要があると判断した。

 鈴木金融担当相は「(SOMPOHDが)子会社の経営管理を適切に行っていたか実態把握を進める」と、今回の検査の狙いを説明した。SOMPOHDにも一定の責任があるとみており、その確認をする。その上で「立ち入り検査で判明した結果に応じ、法令に基づいて厳正に対処する」と述べた。

 損保ジャパンはビッグモーターと親密な関係にあり、同社の不正を把握していたにもかかわらず、いったん停止していたビッグモーターへの顧客紹介を再開していた。また、保険金額の確定作業については「簡易調査」と呼ばれる安易な方法を導入していた。金融庁は再開の経緯や、親会社を含めた経営管理体制などについて調査を進めている。SOMPOHDの櫻田謙悟会長の経営責任も焦点の一つになっている。