スズキは7日、2024年3月期の営業利益見通しを従来予想比19.4%増の4300億円(前年同期比22.7%増)に引き上げると発表した。18年3月期の3742億円を上回って過去最高を更新する。円安や原材料価格の低下を織り込んだ。売上高、当期純利益も過去最高を更新する見通しだ。

 一方、通期の生産台数は前回予想よりも4万6千台少ない332万9千台に下方修正した。国内は半導体不足の影響緩和により上方修正したが、外貨不足による部品の輸入規制で主要車種を生産できなかったパキスタンなどの状況を踏まえてアジアの生産計画を引き下げた。

 生産台数の減少に伴い「台数増減」が120億円の営業減益要因になるものの、ドル円レートを7円、円安方向に見直したことなどで「為替影響」が420億円の増益要因になる。販売計画は、インドでSUV販売が好調なことを踏まえ、前回予想より7千台多い318万8千台に引き上げた。

 23年4~9月期は、台数増や売上構成差の改善、円安効果などで売上高、営業利益が過去最高を更新した。