金融庁の検査官9人が地下駐車場から損保ジャパン本社に入った。明日以降も適宜立ち入りする予定
ビッグモーター多摩店に立ち入る検査官

金融庁は9月19日午前、損害保険ジャパンとビッグモーター(和泉伸二社長、東京都港区)への立ち入り検査を始めた。同社の自動車保険金の不正請求問題で、損保ジャパンへの当局の立ち入りは初めて。2社は親密な関係にあり、保険業法に基づき保険者保護の観点から問題がなかったかどうかを調べる。

金融庁は同日午前10時、損保ジャパンの東京都新宿区の本社ビル地下駐車所から検査官が立ち入りを始めた。ビッグモーターの不正を知りながら、大手損保の中で損保ジャパンだけが取り引き(入庫紹介)を再開した経緯や、ビッグモーター全工場に対して、査定手続きを簡略化する「簡易調査」を導入した経緯を調べる。また、親会社のSOMPOホールディングスの櫻田謙悟会長がなぜ問題を把握できていなかったのかも調べる。

損保ジャパンは今回の立ち入り検査について「検査に真摯に対応するととともに、お客さまの被害回復に努めて参ります」とコメントした。

一方、ビッグモーターについては東京都多摩市の多摩店に午前9時から金融庁の検査官が立ち入りを始めた。同社は東京・六本木の六本木ヒルズに本社があるが、経費削減のために本社機能を10月1日に多摩店や東神奈川店(横浜市神奈川区)に移す。9月16日~18日の3連休中に資料などを多摩店に移したため、多摩店に立ち入りすることになった。

不正請求の事実確認や発生原因、保険代理店として問題がなかったのかを調べる。

六本木にあるビッグモーター本社へは、警視庁と神奈川県警が15日、器物損壊の疑いで家宅捜索した。ビッグモーターの各地の店舗前の公道で街路樹が枯れたり、切られたりした問題をうけて実施した。