「鐘淵デイゼル工業」・川口工場内の風景(左上・右上、右下)と、海軍幹部と同社首脳の記念撮影(左下)

「風雲急を告げる」-。昭和14年、創業者である安達堅造は社長を退いた。誕生からわずか4年の「日本デイゼル工業」は存亡の危機に立つ。独クルップ社のディーゼルエンジンと、同エンジン搭載トラックの製造には成功したとはいえ、いまだ経営基盤は脆弱だ。新しい経営者と支援企業がなければ、会社は危うい。また社会情勢も欧州、アジア、太平洋で戦雲がたれこめている。国…