納入箱とパレットをAIが識別する様子

 豊田合成は30日、製品納入時のトラックの積載量の算出を人工知能(AI)で自動化するシステムを開発し、同社のみよし物流センター(愛知県みよし市)で運用を始めたと発表した。年間約4400便の運行本数を削減し、約140トンの二酸化炭素(CO2)排出削減を見込む。今秋には物流子会社のTGロジスティクス(堀江亮社長、愛知県一宮市)の一宮物流センターにも導入する予定だ。

 同社では、自動車メーカー工場の生産量に応じてトラックの配車計画を最適化するため、各路線の担当者が荷台の空間を目視で確認し、積載量を算出してきたが、経験年数などによる判断のばらつきや確認できるトラック台数に限界があることにより、精度の向上が課題となっていた。

 新システムでは、みよし物流センターで積み下ろしする1日あたり500便全てのトラックをカメラで24時間撮影し、AIによる画像解析で積載量を自動算出、即座に正確な量を把握できる。積載率の低い路線や車両の抽出が容易になり、試験導入した一部の路線では運行本数の削減につながった。同社は物流のCO2削減に加え「トラックドライバー不足解消への効果も期待できる」としている。