日野自動車は8月29日、中大型トラックを生産する古河工場(茨城県古河市)で30日の稼働を停止すると発表した。トヨタ自動車の仕入れ先への部品発注システムの不具合により、部品の発注が遅れるため。29日に停止した羽村工場(東京都羽村市)と新田工場(群馬県太田市)は、30日に稼働を再開する。

トヨタでは、29日に仕入れ先に部品を発注する「生産指示システム」に不具合が発生し、車両生産に必要な部品が確保できなくなった。これに伴い、トヨタの国内車両組み立て全14工場28ラインの稼働を停止した。

グループの日野も同じシステムを採用しており、小型トラック「デュトロ」を生産する羽村工場第2ラインの稼働を止めた。また、別のシステムを採用するダイハツ工業も部品供給の影響により京都工場(京都府大山崎町)の稼働を停止。ダイハツ「ブーン」「トール」、トヨタ「プロボックス」「パッソ」「ルーミー」などの生産に影響が及んだ。

なお、トヨタは、暫定的にシステムを復旧させて、30日に稼働を再開する。1直はトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)とダイハツの京都工場を除く12工場25ラインで再開。2直からは全14工場28ラインで生産を行う。

トヨタによると不具合は「サイバー攻撃によるものではない」としており、現在、不具合の原因究明を進めている。

日野の古河工場は、「プロフィア」や「レンジャー」など国内外向けの中大型トラックを生産している。羽村工場では、デュトロのほか、トヨタ「ランドクルーザープラド」などを生産。新田工場は小型エンジンなどを生産する拠点だ。