三菱ふそうトラック・バスは8月10日、2024年半ばをめどに新型「eキャンター」をインドネシアで発売すると発表した。旧型を含め同国では販売していなかったが、インドネシア政府が電気自動車(EV)政策を進めていることを受けて導入を決めた。乗用車と異なり、トラックのEVは中韓勢もまだ投入していない。ふそう系列の現地販売法人、KTBの田中伸和社長は「先手を打っていずれ来るEVの普及期にもシェアを維持できるようにする」と語った。
三菱ふそうは、昨年8月からジャカルタ市とバリ市で大手の物流事業者とeキャンターを走らせており、市内の配送用途ではニーズがあると判断した。インドネシアでは乗用EV向けの補助制度しかないため、今回の発表を契機に政府にEVトラックの普及支援策を働きかけていく。
三菱ふそうにとってインドネシアは重要市場だ。日本のトラックメーカーの中では最も早く現地に進出したこともあり、小型トラックのシェアは5割を超える。いちはやくEVをラインアップに加えて、ブランドイメージとシェアを保ちたい考えだ。