マツダが8日発表した2023年4~6月期の売上高は前年同期比76.8%増の1兆909億円となり、4~6月期として初めて1兆円を突破した。これまでの最高は18年4~6月期の8722億円だった。円安の効果に加え、部品供給制約の緩和やラージ商品の販売増加で大幅な増収となった。営業損益は前年同期の195億円の赤字から300億円の黒字に転換した。ただ、為替をはじめとする外部環境が不透明なほか、中国や東南アジア事業が想定よりも低迷しているため、通期の見通しは据え置いた。

 4~6月期の販売台数は前年同期比32.4%増の30万9千台だった。物流の制約が一部地域で残ったものの、グローバルの生産台数が回復したほか、米国で4月に発売した「CX―90」や22年に欧州や日本で発売した「CX―60」などのラージ商品群の販売が好調だった。

 販売台数の増加とともに、商品ミックスの改善や値上げの効果で合わせて819億円の増益要因となり、品質費用の増加や広告宣伝費の増加などをカバーした。為替変動影響はドルやユーロに対する円安が増益要因となったものの、タイバーツやメキシコペソは減益要因となり、トータルで58億円分の増益にとどまった。中国や東南アジアの通期の販売台数見通しは7~9月期の決算に向けて見直しを検討する。