国内で初めて空飛ぶクルマが商業運行する

 大阪・関西万博は、次世代モビリティのショーケースでもある。「空飛ぶクルマ」が国内で初めて商業運行を予定するほか、自動運転「レベル4(特定条件下における完全自動運転)」相当のシャトルバスも走る。万博には国内外から2800万人以上の来場が見込まれており、日本の技術力を披露するチャンスにもなりそうだ。

 空飛ぶクルマは、①トヨタ自動車が出資する米ジョビー・アビエーションとANAホールディングス連合②日本航空③丸紅④スカイドライブ(福澤知浩CEO、愛知県豊田市)の4グループが商業運行を予定する。2人乗りのコンパクトサイズから、5人が同乗できる大型サイズまで多様なモデルで来場者を運ぶ。

 運航ルートや離発着場所などの詳細は未定だが、関係法令上、設置に制約がない地域や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のような観光需要のある地域など2拠点と万博会場をつなぐ予定だ。

 自動運転バスの試乗機会も設ける。新大阪駅から会場までの区間のうち、約4㌔㍍を専用道とし、自動運転EV(電気自動車)高速バスを走らせる。運転士が同乗するものの、システムが運転を主導するレベル4相当の自動運転技術を披露する。全長12㍍の観光バスで、一度に多くの来場客を運ぶことができる。早ければ今年度から実証運行を予定する。

 空と地上の両方で最新鋭の技術を体験できる機会を設けることで、30年以降の未来都市でのモビリティのあり方を示す。