三菱自動車は26日、ピックアップトラック「トライトン」を2024年初頭に日本で発売すると発表した。日本での販売は約12年ぶりとなる。国内のアウトドアレジャー人気の高まりで一定の需要を見込むほか、悪路走破性や四輪駆動技術などの三菱自らしさを打ち出すブランド戦略にも役立てる。

 タイで行った新型トライトンの発表会で加藤隆雄社長が明らかにした。新型トライトンは約9年ぶりの全面改良で、従来よりもボディーを大型化するとともに、ラダーフレームの断面積を増やすことで剛性を向上。一方でハイテン材の採用比率を大幅に増加し、重量増を最低限に抑えた。

 タイでは2列シートのダブルキャブ、1列シートのシングルキャブ、フロントシート後部に荷室スペースのあるクラブキャブの3種類を設定。パワートレインは、排気量2.4リットルのディーゼルエンジン「4N16」を採用し、ターボチャージャーの組み合わせなどで最高出力が異なる3種類を用意する。日本にはダブルキャブの4WD仕様のみを導入し、パワートレインは高出力タイプと標準出力タイプを設定する。

 トライトンは06年から日本でも販売していたが、発売後、約5年間の国内累計販売台数は約2千台にとどまり、11年に販売を終了した。「パジェロ」の販売終了でオフロード車の設定が手薄になっていた中、ピックアップトラックを再度投入することで品ぞろえを強化するとともに、ブランドイメージを向上する。