中国汽車工業協会は8日、自動車メーカー16社が6日に合意した「自動車業界の公平な市場秩序を守る承諾書」の中から「異常な価格で市場の公平な競争秩序を乱さない」とする項目を削除すると発表した。消費者からの反発に加え、独占禁止法に違反すると判断したため。電気自動車(EV)を中心に中国で広がる値引き競争の動向が注目される。

 中国汽車工業協会が値引き抑制に向けた合意を取り下げるとともに、16社に独禁法の順守を求める声明を発表した。承諾書に記載している誇大広告の抑制や品質向上、中国経済への貢献などについての項目は維持する。

 この承諾書は比亜迪(BYD)やテスラ、一汽集団や東風汽車など16社が上海で開催した「中国自動車フォーラム」で6日に署名したもの。合意後、値引き競争の回避に関する項目については消費者から反発の声も出ていた。