オートリブは、助手席用の新型エアバッグモジュールを開発し、2023年7~9月期に商品化を予定していると発表した。小型のインフレーター1つで最大155リットルまでの大型エアバッグの展開を可能としている。

 流体の速度が増加すると同時に圧力が低下する「ベルヌーイの定理」に基づいて、圧力差を活用して小さい力で大きなエアバッグを展開できるという。衝突信号を受信したインフレーターは、複数の注入チューブからエアバッグ内に高圧ガスを高速で放出する。同時に周辺の空気も吸い込むことで、エアバッグを展開する力を大きくする。熱の発生を抑えつつ、軽量化でき、顧客が実施する開発試験を30%以上減らす効果があるという。

 同社のジョルディ・ロンバルト最高技術責任者(CTO)は「大型エアバッグは広いコックピットや快適な座席を備えた新たな電気自動車(EV)に必要とされている。より効率的でサステイナブルな方法で車両を安全にする取り組みの大きな一歩」としている。