独ヴィテスコ・テクノロジーズは、半導体メーカーのロームと炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の長期供給パートナーシップ契約を締結したと発表した。ヴィテスコは、ロームのSiCチップを搭載したインバーターを2024年から供給する。すでに自動車メーカー2社の電気自動車(EV)への採用が決定しているという。

 今回の提携により、ヴィテスコは次世代電気自動車(EV)のキー技術であるSiCチップの供給量を確保する。取引額は24年から30年までに1300億円以上を想定している。両社は20年から、EV向けのSiCパワーデバイスとインバーターの開発に関して提携し、協議を進めていた。

 SiCは従来のシリコンと比べ絶縁破壊強度は約10倍で、放熱特性も優れる特性を持つ。高電圧・高温環境下でも安定駆動できることから、EVのバッテリーエネルギーを有効活用できる技術として、需要が急拡大している。

 両社は引き続き連携を深め、SiCを通じてEVの効率化と急速充電をサポートしていくとしている。