【独フランクフルト=中村俊甫】コンチネンタルは、サステイナブル素材を最大65%用いたタイヤを開発した。7月から欧州で発売する。ペットボトル由来の繊維や再生カーボンブラックなどを使いつつ、転がり抵抗や騒音など、欧州のタイヤラベリング制度が定める全項目で最高評価を得た。2050年には全てのタイヤを100%持続可能な素材でつくる計画だ。

 14日に開かれた技術展示会「テックショー2023」で、サステイナブル素材の使用比率を高めた「ウルトラコンタクト NXT」をニコライ・セッツァーCEO(最高経営責任者)が世界初公開した。

 昨年から量産タイヤの骨格部(カーカス)に用いているペットボトル由来のポリエステル糸素材のほか、もみ殻由来のシリカ、再生カーボンブラックなど、天然ゴムを含めた9つの再生可能素材を使った。欧州のタイヤラベリング制度が定めるブレーキ制動距離と転がり抵抗、騒音の3項目でそれぞれ最高評価の「A」を得た。ポルトガル工場で生産し、まずは欧州から市販用の19サイズを発売する。

 タイヤ各社はサステイナブル素材の活用に取り組んでいるが、今は競技用タイヤなどで完成度を確かめている段階だ。コンチネンタルの担当者は「サステイナビリティーと安全性を両立したタイヤをいち早く量産した意義は大きい」と語った。

 同社は、50年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を目指している。タイヤではまず、30年にサステイナブル素材の使用率を40%以上とする方針。セッツァーCEOは「生産に関する専門知識は私たちの強みだ」と語った。