デンソーと大成建設は13日、二酸化炭素(CO2)回収システムを用いた技術検証を始めると発表した。デンソーは工場で大量に出るCO2だけでなく、少量で低濃度のCO2回収も視野に入れている。今回は事務所の空調設備にデンソーのCO2回収装置を取り付け、大成建設のカーボンリサイクル・コンクリートにCO2を固定化する実証を9月から24年3月まで実施する。

 大成建設技術センター(横浜市戸塚区)にある「人と空間のラボ(ZEB実証棟)」の会議室(定員57人)の空調設備を実証に用いる。会議室からの排気からCO2を回収し、CO2濃度の低い空気を会議室に戻す。会議室の未使用時は大気中のCO2を外気から回収する。

 電極に通電してCO2を吸着させ、電圧を変えて離脱・回収する「電界式回収技術」を用いる。小型の装置で高効率な回収を目指す。検証では、排気の一部からCO2を回収するが、設計や運転方法を工夫し、将来は排気全量からのCO2回収を目指す。