GMのアーリントン工場

 ゼネラル・モーターズは、内燃機関(ICE)を搭載する新型フルサイズSUVの生産に向けて、米テキサス州アーリントン工場に5億ドル(約700億円)以上を投資すると発表した。同社は2025年に電気自動車(EV)の年産100万台体制の構築を計画するが、バッテリーなどのコストが割高なEVは中期的に採算向上が難しい。このため現在、売れ筋となっているSUV・ICE車の生産にも力を入れて、収益基盤の強化につなげる。

 今回の投資によって、アーリントン工場ではプレス部品、車体溶接、最終組み立て工程にそれぞれ新設備を導入し、新型車の生産に備える。導入時期と生産規模は未開示。同社が中長期的にICE搭載車を顧客に提供するポートフォリオになるとする。

 グローバル生産及びSDGs担当のジェラルド・ジョンソン執行副社長は「将来のICE・フルサイズSUVの生産準備を整えることは、私たちの貴重な顧客に対する取り組みと、アーリントン工場の従業員の努力を反映している」と述べた。

 同工場はキャデラック、GMC、シボレーのフルサイズSUV全車種を生産する主力工場。同社は13年以降、同工場には20億ドル以上の投資を発表した。今回の追加投資によって、同社が北米でトップシェアを確保し事業の大きな柱となっているICE搭載フルサイズSUVの供給体制拡充が、当面の収益確保に欠かせない様子が浮かび上がった。