【独ミュンヘン=梅田大希】電子制御ユニット(ECU)や開発ツールを手がける独dSPACE(カーステン・ホフ最高経営責任者)は24日(現地時間)、「dSPACEワールドカンファレンス2023」を独ミュンヘンで4年ぶりに開いた。自動車メーカーや部品メーカーのエンジニアなど26カ国から650人以上が参加した。自動車メーカーの技術者による講演のほか、同社の開発ツールなどが披露された。

 今回は、ソフトウエアが自動車の進化を主導するSDV(ソフトウエア・ディファインド・ビークル)や電動車、ADAS(先進運転支援システム)/AD(自動運転)がテーマだ。フォルクスワーゲン(VW)グループやBMW、メルセデス・ベンツ、現代自動車、トヨタ自動車などの開発者が登壇し、車載用ソフトの開発動向や「ユーロ7」への対応、欧州における充電インフラの整備状況、大型商用車の水素エンジン開発の取り組みや電動化などについて講演した。

 会場では、dSPACEが開発したLiDAR(ライダー、レーザースキャナー)やカメラ、センサーの検証に利用可能なシミュレーション技術や、ソフトの更新機能であるOTA(オーバー・ジ・エア)関連製品なども展示された。

 dSPACEは、独パーダーボルン市に本社を置く制御開発関連ツールでは世界トップシェアの企業。日米や中国などにも子会社を持つ。世界の主要な自動車メーカーや部品メーカーに開発ツールを提供している。