スバルが11日発表した2023年3月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益、利益ともに前年度を上回り、3年ぶりの増収増益だった。原材料価格高騰の影響はあったものの、米国を中心に販売台数が増加したほか、円安が利益を押し上げた。24年3月期は、世界生産、販売ともにコロナ前の水準を目指し、2年連続の増収増益を見込む。

 23年3月期は半導体不足をはじめとした部品供給課題が継続したものの、生産調整などにより影響を最小限に抑えたことで販売台数が増加したほか価格改定の効果により、売上収益が増加した。主力市場の米国での販売が好調だったことに加え、円安による営業利益の押し上げが2226億円に上った。売上収益、利益ともに現行の会計基準に移行した20年3月期以降では最高だった。

 連結販売台数は前年度比16.1%増の85万2千台と3年ぶりに増加した。期初に100万台の生産を計画したが、部品不足の影響が残り到達しなかった。

 24年3月期は、想定為替レートを1ドル=128円と前期より7円の円高に設定した。円高や原材料高を減益要因として織り込むが、米国を中心とした販売増により増収増益を見込む。中村知美社長は「生産をコロナ前水準の100万台に引き上げる。営業利益はコロナ前を超える水準を目指す」と話した。