欧州最大の充電網
車両ブランドを問わずサービス提供

 フォルクスワーゲン(VW)は、電気自動車(EV)の充電関連事業などを展開するグループ企業のElli(エリー)が、欧州で50万基のEV充電ステーション網を構築したと発表した。28カ国の約950社のプロバイダーと連携し実現したもので、50万基の充電網構築は欧州初。車両ブランドを問わず充電可能なことなどを訴求して利用者を獲得しながら、今後もさらなる充電網の拡大に取り組み、VWグループのEV拡販を後押しする。

 この4カ月間に約10万基の充電器を増設し50万基体制を実現した。同社の充電網は現在、欧州全域に約3万3千基の高出力充電(HPC)ステーションを配置したほか、1月からアウディの充電サービスをネットワークに組み込んだ。最新の「プラグ&チャージ」技術によって、利用者がEVにコンセントを差し込むだけで自動的に充電管理を最適化するシステムは、5千カ所に導入した。

 さらにVWグループ以外を含め車両ブランドを問わず、夜間充電から高速充電まで明朗な料金で利用できる体系をつくり、利用しやすさを打ち出した。VW車、セアト車(スポーツ車のクプラ含む)、シュコダ車のオーナーには、運転プランに応じて充電料金を事前にオンライン計算できるサービスを提供する。

 VWグルーで技術部門を統括するトーマス・シュマル取締役は「50万基の充電ポイント構築は、当社の電動車ビジョンの重要なマイルストーンとなる。今後もパートナー企業と協力して、ヨーロッパにおける包括的でシームレス(途切れ目のない)な充電ネットワーク構築に取り組む」と述べた。

 エリーは2018年に設立。現在はベルリン、ヴォルフスブルク、ミュンヘンに事務所を構え、約300人の従業員体制でEV充電関連や再生可能エネルギーの販売などを推進している。