欧州、中国から投入を開始し、北米は2024年
クラスを上回る装備、居住空間で魅力を向上

 フォルクスワーゲンは、同社初の上級ミドルクラスのバッテリー電気自動車(BEV)「ID.7」を発表した。同社BEVの旗艦車種となるセダンで、最大700キロメートル(WLTP)の航続距離とクラスを上回る居住空間を確保した。その上で上級車向けの先進・快適装備を採用し、商品魅力を高めた。年内にはヨーロッパと中国で発売し、2024年から北米に投入する計画だ。

 ID.7は長距離ツーリングの快適な移動を目指し開発。210キロワットの最高出力と効率化を両立した新開発パワーユニット「APP550」を搭載する。

 車室内には15インチサイズのインフォテインメントシステム用画面を装備。拡張現実(AR)を活用するヘッドアップディスプレイによってドライバーへ的確に、安全に情報を伝達するなど、操作系や表示系に新コンセプトを導入した。

 従来は上級車向けの装備だったマッサージ機能付シートや調光機能付き「パノラマサンルーフ」も採用した。同ルーフはタッチコントロールもしくは音声で調光機能を操作できる。運転支援システム「トラベルアシスト」では、高速道路を時速90キロメートル以上で走行中の車線変更など、加減速とステアリング操作を支援しドライバーの負担を軽減する。自動駐車機能も盛り込んだ。

 営業・マーケティング担当のイメルダ・ラベー取締役は「ID.7は、欧州、中国、北米で非常に重要なモデルだ。独自性、プレミアムな快適さ、日常的な使いやすさを備えたプレミアムテクノロジーを提供し、新規開拓につなげていく」と意気込みを示した。