日野自動車が26日発表した2023年3月期連結決算は、最終損益が1176億円の赤字となった。赤字額は過去最大。22年3月に発覚した国内向け中・大型エンジンの認証不正による損失が膨らんだ。24年3月期は売上高が前期比12.8%増の1兆7千億円、当期純利益は100億円を見込む。

 23年3月期は円安や海外販売の増加が増益要因となったが、エンジン認証不正による国内販売台数の減少、原材料価格高騰、エンジン認証不正に伴う特別損失の計上により、3年連続で最終赤字となった。3月に当期純損益を当初予想の550億円の赤字から、1280億円の赤字に下方修正していたが、金融収益の増加などで経常利益が従来予想を上回り、最終損益の赤字幅も従来予想から縮小した。

 認証不正問題に伴う特別損失は、税制優遇分の返金費用、サプライヤーや顧客への補償、顧客への燃費補償費用、米国連結子会社での固定資産減損損失の計上により、合計922億円に上った。

 世界販売台数は前期比7.6%減の14万4614台だった。国内は認証不正の影響で同37.8%減の3万6167台だったが、海外はアジアや北米が増え、同10.3%増の10万8447台だった。

 24年3月期は国内販売の回復や海外販売の増加を見込み、4期ぶりの黒字転換を目指す。