BOIのナリット・タードサティーラサック長官(写真右から2番目)と長安汽車幹部

 タイ投資委員会(BOI)は、中国の長安汽車が電気自動車(EV)の生産拠点をタイに新設すると発表した。投資額は98億バーツ(約383億円)。当初の年産能力は10万台の見込みだ。EVのほか、車載バッテリーやプラグインハイブリッド車(PHV)も生産する。稼働時期や建設場所は明らかにしていない。新工場で生産した車両はタイ国内のほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)、オーストラリア、ニュージーランド、英国、南アフリカに供給する予定という。

 長安汽車の2022年の自動車販売台数は約200万台。中国ではマツダやフォードと合弁会社を持つ。

 タイ政府は、ASEAN域内でEVの生産や普及で先行するため、30年には現地生産車の3割をEVにする「30@30」計画を掲げる。EV生産は中国メーカーが先行しており、今回の長安汽車のほか、上海汽車は23年、長城汽車は24年から生産を始める予定だ。日本メーカーでは、トヨタ自動車が23年にEVピックアップトラックの生産を始める。