アイサイトXを搭載した「アウトバック」

 スバルは、先進運転支援システム「アイサイトX」で実用化している「ハンズオフ走行」を全速度域に拡大する。アイサイトXのハンズオフ走行は、主に渋滞時を想定して時速50㌔㍍以下の自動車専用道路に限定しているが、センサーの制御を改良して全速度域に対応させ、運転負担の軽減を図る。ただ、ドライバーの前方注視を前提とする条件は変えないため、自動運転「レベル2(高度な運転支援)」を維持し、レベル3(条件付き自動運転)は実用化しない。

 アイサイトXは「スバル・レヴォーグ」などに設定した先進運転支援システム。自動車専用道路で、全球測位衛星システム(GNSS)からの信号受信などの条件を満たしている場合、時速50㌔㍍以下ならハンズオフによる自動運転が可能となる。このシステムを一部改良して自動車専用道路の制限速度以下ならハンズオフ走行できるようにする。

 アイサイトXは、ステレオカメラやミリ波レーダー、赤外線センサーといったセンシング装置で車両周辺の情報を把握し、これを処理することで運転を制御する。センサーや処理するコンピューターのソフトウエアを更新して、全速度域でハンズオフ走行ができるようにする。

 ドライバーの運転負担を軽減できる装備を増やすのが目的で、レベル3は実用化しない考え。ドライバーモニタリングシステムでドライバーが前方を注視していることを監視し、前方を注視していない場合は警告した上でシステムを自動で停止する。

 レベル2でのハンズオフ運転は、日産自動車やトヨタ自動車なども実用化しているが作動速度を制限している。