中村知美氏と大崎篤次期社長(右)

スバルは3月3日、大崎篤取締役専務執行役員(60)が代表取締役社長CEO(最高経営責任者)に昇格する人事を発表した。6月の株主総会後に就任する。中村知美社長(63)は代表権を持たない会長に就く。スバルはこれまで営業畑の社長が続いていたが、エンジン設計や品質保証など開発系をトップに据え、電動化対応やスバルらしい商品づくりを推進する。

3日の記者会見で大崎氏は「先が見通しにくい時代だからこそ軸をブレさせずに前に進めるのが私の仕事。大きな方向性は踏襲した上で新しいスバルブランドを作りたい」と抱負を述べた。

大崎氏は1988年4月に入社後、エンジンや変速機設計を担当後、労働組合の専従役員や軽自動車の商品企画など幅広い業務に従事しており、近年では品質保証部門の担当が長かった。

中村現社長は、2018年6月に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任し、17年に発生した完成検査問題からの信頼回復に取り組んできたほか、トヨタ自動車との資本提携見直し(19年)や国内生産体制再編計画の策定(22年)などに取り組んできた。18年に策定した中期経営ビジョンの取り組みが5年の区切りを迎え、サプライチェーンの問題にも出口が見えてきた中、後任の大崎氏にバトンを譲る。

6月の株主総会では両者の人事のほか、早田文昭取締役(58)が代表取締役副社長に昇格し、細谷和男会長(65)が特別顧問に就く。

〈プロフィル〉おおさき・あつし氏 1988年3月東京農工大学大学院工学研究科修了、同年4月富士重工業入社。2016年4月執行役員スバル品質保証本部副本部長、18年4月常務執行役員、19年専務執行役員、21年6月取締役専務執行役員。1962年4月生まれ、60歳。東京都出身。