豊田章一郎氏が死去した翌日、日本自動車会館には半旗が掲げられた

東京タワーを間近に望む東京都港区に「日本自動車会館」がある。製造系の日本自動車工業会(自工会)、販売系の日本自動車販売協会連合会など、自動車関連の約20団体が2004年から入居しているビルだ。

分散していた主な自動車関連団体を集結させる会館構想を唱えたのは、14日に死去した豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長だった。日本自動車会議所の会長時代(1993年~2012年)に提唱したが、90年代は地価が高かったり、各団体の財政事情もあって具体化には至らなかった。

しかし、自工会の移転話などを機に2001年から会議所内部で具体的な検討が始まり、同年9月には関係団体による検討委員会ができて実現に至る。敷地にある「日本自動車会館」の文字は豊田名誉会長が揮毫(きごう)したものだ。

豊田名誉会長は悲願の会館実現に喜んではいたものの「いつかは自前の会館を建てたいね」と、なお意欲を燃やしていたという。

死去の翌日、日本自動車会館には半旗が掲げられていた。

享年97歳。ご冥福をお祈りします。