日本ガイシとリコーは1日、電力事業を行う共同出資会社「NRパワーラボ」を設立し、2025年度の事業化を目指すと発表した。仮想発電所(VPP)サービスと電力デジタルサービスを融合した事業を展開する。将来的には数十億円規模の売り上げを目指す。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の達成に向け付加価値の高いサービスを提供していく考えだ。

 新会社には日本ガイシが51%、リコーが49%を出資する。日本ガイシのNAS(ナトリウム硫黄)電池とリコーの「再生可能エネルギー流通記録プラットフォーム」を組み合わせた事業を手がける。VPPで電力の需給バランスを調整し、NAS電池などに余った再生可能エネルギーを貯蓄することで、発電量が多い時間帯などに使う。さらにVPPで得た電力需給や再エネ発電量データなどを電力デジタルサービスに活用する。製造拠点などでの二酸化炭素(CO2)排出量の可視化など、電力利用者の省エネルギーやカーボンニュートラルに貢献するビジネスモデルを構築していく。サービス提供先として、送配電企業や再エネ関連事業者のほか、地域新電力企業などを見込む。

 今後は、事業化に向けた要素技術開発、経済性などを検討するとともに、パートナー企業も増やす。NRパワーラボの中西祐一社長=写真右から2人目=は「日本ガイシとリコーの2社で(事業を)やっていくわけではない。さまざまな分野のパートナーに入ってもらうことで、ビジネスモデルができあがる」と語った。