台湾の電子機器受託大手、鴻海科技集団(ホンハイ)は、2月1日付で電気自動車(EV)事業の最高戦略責任者(CSO)に元日産自動車副最高執行責任者(COO)で、日本電産の社長を務めた関潤氏(61)が就任したと発表した。

 関氏は2020年4月に日本電産社長に就任した。21年4月には最高経営責任者(CEO)に就いたが、22年4月には会長だった永守重信氏がCEOに復帰し、関氏はCOOとなった。その後、EV向けトラクションモーターシステム「eアクスル」などの車載事業の業績が低迷したことを受け、同年9月に引責辞任を余儀なくされた。

 ホンハイは、eアクスル関連で日本電産との関係が深い。21年3月には台湾の自動車メーカー「裕隆汽車」とホンハイの合弁会社である「鴻華先進科技」がEVパワートレイン開発で日本電産と提携。ホンハイ、鴻華先進科技、日本電産の3社で合弁会社の設立も検討している。

 ホンハイは電子機器で培った技術を生かしEV事業に参入した。EV開発のプラットフォーム「MIH」を通じて、参画企業とアライアンス(企業連合)を結成し、車両製造を計画する。MIHには68カ国・地域の2577社が参画しており、日本からは日本電産のほか、デンソーや日本精工、ブリヂストン、ティアフォー、旭化成などが加わっている。