日本製紙は、ヤマハ発動機と共同で、木質資源を活用したセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂を使用したエンジン部品を開発すると発表した。ヤマハ発の2024年モデルの水上オートバイでの実用化を目指す。

 CNF強化樹脂は、木質資源を活用したバイオマス材料であるCNFを、ポリプロピレンやナイロン6などの樹脂に均一に分散して製造する高強度材料。マテリアルリサイクル性が高く、部材の軽量化が図れるのに加え、化石燃料を使用するプラスチック使用量削減による温室効果ガス削減にもつながる。

 日本製紙はCNF強化樹脂の開発に取り組んでおり、富士工場(静岡県富士市)に混錬を中心とする実証設備を導入し、年間50トン以上のCNFを30~50%含有する樹脂を製造できる体制を整えている。今後、ヤマハ発とCNFを使用したポリプロピレンを使用したエンジン部品を開発して実用化を目指す。実現すれば、日本製紙のCNF強化樹脂のビジネスベースでの初の実用化となる。