スズキは21日、牛ふんを使用したバイオガスを燃料として電力発電事業を手がける富士山朝霧バイオマス(静岡県富士宮市)に出資したと発表した。地域の活性化や環境負荷低減に貢献するとともに、出資を通じて得られた知見をインドで開始するバイオガスの実証事業にも活用する。出資額は非公表。

 富士山朝霧バイオマスは2021年に設立された会社。地元の農家や酪農家から回収した牛ふんを発酵させて精製したバイオガスを燃料に電力を発電する発電所を22年度内に稼働し、発電した電力を地元の電力会社に売電する計画を掲げている。

 スズキは、循環型社会の形成に向けた取り組みの一環として8月、インドで政府系機関と共同で牛のふん尿に含まれるメタンから自動車用燃料を精製する実証事業を実施すると発表。富士山朝霧バイオマスへの出資により、バイオガスの活用に向けた知見を蓄積する。