日本製鉄は28日、欧州アルセロール・ミタルとのインド合弁会社のAM/NSインディアがインド西部に高炉2基を新設すると発表した。自動車用鋼板などを生産する。粗鋼生産能力は現在の約900万㌧から1500万㌧に増える見込み。港湾や電力などのインフラ企業の買収を含めた一連の投資額は1兆円を超える規模となる。

 AM/NSインディアはインド西部のハジラ製鉄所に高炉2基、焼結設備2基、転炉3基、連続鋳造機2基、熱延ライン1基などを新設する。これらの投資額は約7300億円。2025年後半から順次稼働する。

 また、エッサール・グループが保有する港湾や電力などのインフラ企業を約3400億円で買収する。AM/NSインディアでの製鉄事業に必要なインフラ設備を保有することで、インド国内拠点間における原材料や製品の効率的な輸送、電力の安定供給体制を整える。同日、記者会見した日鉄の森高弘副社長は、高炉・転炉プロセスによる能力増強によって「自動車向けを含めた高級鋼に力を入れていきたい」と話した。