市光工業は26日、同社グループが手がける自動車用ミラー事業を、バックミラーや樹脂部品などを手がけるインドのサンバルダナ・マザーソン・インターナショナル傘下の英SMRオートモーティブ・ミラーズUKに売却すると発表した。売却は2023年5月の予定で、売却価格は52億円に資産の変動などを踏まえて調整する。市光はミラー事業の売却で、主力の自動車用ランプ事業に経営資源を集中する。

 売却するのは、市光のミラー製造所(群馬県藤岡市)、子会社の美里工業、中国の市光(無錫)汽車零部件、タイとマレーシアでのミラー製造・販売事業。自動車用ミラー事業では、一部でカメラとモニターに置き換わるなど、事業の将来の発展性が見込めないことから売却を決めたと見られる。

 市光はミラー事業から撤退することで、自動車用ランプなどのライティング事業に投資を集中させる。同社は電動車や自動運転向け製品として「HDライティング」などの次世代ライティング製品の開発を強化している。新製品や新技術の開発に経営資源を重点配分し、競争力を確保する。

 ミラー事業を売却するSMRは00年の設立で、自動車の後方確認用ミラーを手がけている。北米や欧州、アジアなどに拠点を持つ。