サンクトペテルブルク工場(2016年)

トヨタ自動車は9月23日、ロシア事業からの撤退を決めたと発表した。サンクトペテルブルク工場は閉鎖して生産事業を終了、輸入による新車販売も行わない。アフターサービスは継続する。ロシア事業撤退の理由について、長田准執行役員は「ロシアによるウクライナ侵攻は戦況が打開されるメドも立たず、このままの状態ではトヨタとしてクルマを作れない」とオンラインで述べた。

ロシアに対する経済制裁によって部品調達が困難な状況となり、トヨタは3月4日からサンクトペテルブルク工場を止めていた。一方、工場停止後も従業員に給料を支払い続けてきた。今回、生産終了を決めたタイミングについて「現地のキャッシュが減っていく中で、今のタイミングでなければ従業員に対する十分な支援ができなくなる可能性がある」と長田執行役員は説明した。

サンクトペテルブルク工場は2007年12月に稼働を開始し、「カムリ」と「RAV4」を生産していた。今後、工場売却など生産終了に向けた手続きを開始していく。21年の生産台数は8万台。ロシアトヨタの従業員は9月時点で2350人、その内、モスクワの拠点は500人。ロシアトヨタは規模を縮小した上で再編する。