【ハノーバー=永田剛久】三菱ふそうトラック・バスは、小型電気トラック(EVトラック)「eキャンター」の次世代モデルの欧州仕様車を発表した。車両総重量(GVW)やホイールベース、バッテリー個数などが異なる42種類を用意し、多様なニーズに対応する。22年内に販売を、23年に量産を開始する予定。今後はeキャンターの販売地域を台湾やインドネシアなどにも拡大する。

 独ハノーバーで20日開幕した世界最大規模の商用車ショー「IAAトランスポーテーション2022」で、欧州向けのeキャンターの次世代モデルを展示している。

 GVWは4.25~8.55トン、ホイールベースは6種類、キャブは2種類から選べる。バッテリーはモジュール式で、搭載個数に応じて1充電当たりの航続距離が70、140、200キロメートルに変わる。動力取り出し装置「ePTO」を車両側に搭載し、レッカー車やダンプ車、クレーン車の設定を可能にした。

 日本向けの28種類に対し、欧州仕様車は42種類で幅広い用途に対応できる。

 安全機能では、衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」に加え、被害軽減ブレーキ機能を有する巻き込み防止機能「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」を搭載した。

 現在のeキャンターの販売地域は日本と米国、欧州、オーストラリア、ニュージーランドだが、今後数年間で台湾とインドネシア、チリ、シンガポール、香港にも拡大する。